BEAMSが手がけるBEAMS Tは、アーティスティックなグラフィックをTシャツというキャンバスで表現する”Art for Everyday”をコンセプトにしたTシャツ専門レーベル。2002年にオープンした「ビームスT 原宿」のインテリアデザインを当初から手がけており、21年を経た2024年10月に、初の本格的なアップデートを実施した。
2002年当時は「アーティストが自身のアトリエで作品を展示する」空間を構築し、無機質なガラスケースに沿って設置されたレール上を、電動Tシャツディスプレイが流れる構成とした。何十枚ものTシャツが鑑賞者の前を行き交い、アート作品を鑑賞するような体験を提供すると同時に、通りの視線を引き込み、店内へ自然と誘導する役割も果たしていた。訪れた人々がアートとしてTシャツを選び、日常に持ち帰る体験を楽しめるようデザインされている。
2024年のアップデートでは、基本構造を維持しつつ、コミュニティやデザイナーとの交流を促進するミーティングスペースを新設。床材にはモルタル、カウンターにはスチール、カウンターバックにはウッドを用いるなどして刷新し、開かれた印象のギャラリーのような空間へと生まれ変わった。変化の激しい東京のリテールシーンにおいても、周辺のランドマークとしての存在感を保ち続けている。